明治30年創業の松壽堂

曾祖父の代から続く松壽堂は、もともと古美術を扱っていましたが、四代目の店主は、加藤土師萌、富本憲吉、板谷波山などの近代工芸作家にはじまり、河井寛次郎や濱田庄司といった民芸を代表とする作家を多く取り扱うようになりました。

特に河井寛次郎の作品の魅力は、いま見ても決して古びず、時代を越えて訴えかけてくる力があり、それは多彩な作風や斬新な造形力に見て取れます。寛次郎というと中期の作品に人気が集まりますが、中国や朝鮮の古陶磁を写していた初期や、泥刷毛目など独自の境地を開いた晩年の作品は現代にも通じるセンスを感じます。